薬液注入工法の基本原理は、土の骨格構造を壊すことなく注入材を土の粒子間に浸透させ、間隙水と置き換えて固結すること(浸透注入)にあります。 マルチライザー工法は、瞬結性注入材と浸透性注入材を同一工程で注入することが可能な工法です。 砂質土層に対しては浸透性注入材を主体として注入し、粘性土に対しては瞬結性注入材を主体に注入し、地層の変化に対応して浸透性注入材と瞬結性注入材とを適正な割合にて複合した注入を行います。


浸透注入形態(砂質土)

脈状注入形態(粘性土)

特長

マルチライザー工法は、二重管ロッドで削孔し、あわせて注入も行います。

(1)砂質土地盤の場合、瞬結性注入材でロッド回りのパッカ-及び水みち等の粗詰め処理を行った後、浸透性注入材を注入し土粒子間浸透を図ります。

(2)粘性土地盤の場合、瞬結性注入材を注入することにより圧密による注入効果が得られます。

施工手順

使用注入材料(標準) 一次注入:RMG-S2 二次注入:RMG-L3

  • (1) 5.5kW級のボ-リングマシンをセットする。
  • (2) 直径40mmの二重管を用いて削孔。
  • (3) 改良範囲最下端深度まで削孔完了。
  • (4) 一次注入として、瞬結性注入材料を注入し、管回りの閉塞と地山の粗詰め処理を行う。
  • (5) 二次注入として、ゲルタイムの長い長結性注入材を用い、地山の間隙への浸透注入を行う。
  • (6) ステップアップし、一次注入+二次注入を行う。以降、改良範囲最上端深度まで(4)(5)を繰り返す。